2024年10月4日
皆さんはザ・ウィンザーホテル洞爺というリゾートホテルはご存じでしょうか?
安倍晋三さんが総理大臣だった頃に行われた「洞爺湖サミット」の会場となったリゾートホテルです。
実は僕…このザ・ウィンザーホテル洞爺に宿泊したことがあるんです。そのいきさつと感想を今回記事にしてみます。
北海道拓殖銀行破綻の象徴
このザ・ウィンザーホテル洞爺は北海道のバブルの遺産の象徴ともいえるリゾートホテルで洞爺湖畔の山の上にそびえる艦船のような建物です。洞爺湖側の客室からが洞爺湖全体が一望でき、反対の太平洋側は地球岬を一望できるという最高のロケーションです。
このザ・ウィンザーホテル洞爺の建設は北海道拓殖銀行の融資によってカブトデコムの子会社によるリゾート開発計画でした。計画当時に流行っていた会員権販売による建設資金調達で、当時まぁまぁ成功していたトマムリゾートを見習ったのかもしれません。当時のホテルの名前は「エイベックスリゾート洞爺」。
ホテルの会員権は北海道拓殖銀行から融資を受けている道内の中小企業経営者を中心に販売され、当時は北海道のリゾート開発の会員権は本州のものと比べて割安で将来性があると感じられていたのかそこそこ人気があったようです。
とはいえ実際には北海道拓殖銀行と取引のある中小企業が半ば強引に会員権を購入させられていたようです。その後、経営権が変わりザ・ウィンザーホテル洞爺という名前に変わり、洞爺湖サミットの会場となったわけですが、まだエイベックスリゾートの名前だった頃に宿泊したときの印象的な想い出があるんです。
これまで見たことも無いような贅沢なホテル
その当時、僕は北海道倶知安町のニセコひらふのあるホテルで働いていました。スキー場に面したホテルで「ホテル」というより「ロッジ」というようなグレードの自称ホテルでした。その職場の慰安旅行で「エイベックスリゾート洞爺」に行くことになったのですが、当時は会員権暴落で低価格で宿泊可能だったようでかなり広々としたツインルームでも一人10,000円程度だったようです。夕食を食べても15,000円くらい。
今の料金を見てみると…
うーん…スキー場脇のロッジの慰安旅行にはハードルが高すぎますね。
エイベックスリゾート洞爺の会員権を購入した方との出会い
まぁ高い安いはともかく、勤めていたホテルの慰安旅行で宿泊したエイベックスリゾート洞爺。それはそれは「豪華絢爛」という言葉が最も似合うホテルでした。客室にも広々バスルームがついているんですが、一応、温泉大浴場があるという事で大浴場に行きました。
普通のホテルの場合、大浴場に行くと言っても浴衣でフラフラ歩いていけばいい感じですが、ここエイベックスリゾート洞爺は違います。浴衣でフラフラすると叱られます。なんてったってリゾートなんですから。
しかも大浴場までが遠い…
シャトルバスとか無いんすか?
と言いたくなるレベル。
まぁそれはいいんですが、その大浴場の前の広いロビーでたまたまお話ししたご夫婦。ご主人は見るからに企業経営者というオーラが出ていて奥様の方も上品な雰囲気であふれています。
話をお伺いすると、やはり中規模の建設会社の社長さんで北海道拓殖銀行の働きかけでエイベックスリゾート洞爺の会員権を購入したとのこと。今回、はじめてエイベックスリゾート洞爺に宿泊するけど購入した会員権は紙くずとなるのでその前に一度くらいは宿泊しようとやってきたとのこと。
さて、気になる会員権のお値段ですが…その方は「3000万円」!
3,000円じゃないんすよ?
その時にお会いしてお話しただけで、その後どうなったかは知る由もありませんが、北海道洞爺湖サミットで嬉々としていた安倍晋三さんを見たら「ぶん殴りたくなっただろうなぁ」と容易に想像できます。
「失われた30年」の始まりのころのお話ですね。
庶民が普通に普通のホテルや旅館に宿泊できるようにしてほしい
さて、他の記事で書きましたが僕の趣味はバイク乗りです。
バイク乗りの朝は早く、日帰りツーリングの場合、日の出前に出発します。そんな時、道の駅に立ち寄ったりしますが。最近多く見かけるのが車中泊の旅人。
これがキャンピングカーなどならまだいいのですが、普通の乗用車で寝ている人をよく見かけます。車中泊というより避難している人みたいです。それを好んでしているのならいいのですが、旅行はしたいけど宿泊費はもったいないという事ならとても残念なことです。
これもまた失われた30年の現実ですね。
つじ恵さん、何とかなりませんかね?